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Medalgame of the Year

『メダルゲームオブジイヤー』と題して年間の優秀メダルゲームを個人的に講評します


2011年は、何を差し置いても3月11日の東日本大震災で世界観が変わった一年。2011年の流行語と云えば「直ちに影響はない」。2011年の世相を表す元素記号と云えば「Cs(セシウム)」。2011年の糞株銘柄(おっとお下品な)と云えば「東京電力(9501.T1)※」といった具合。アミューズメント業界も、3月以降閉店を余儀なくされた店舗もある一方、手近な娯楽としての見直しもされてるとはいえ、年末にかけては一時期持ち直していた売上高も再び前年比割れ傾向にある他、消費税増税の見通しで、余暇産業全体が冷えこみかねない状況です。
※さらに創業家の孫がカジノで会社の資産を溶かした「大王製紙(3880.T1)」,損失飛ばし問題に大揺れの「オリンパス(7733.T1)」と東証一部がまさに糞まみれ。(おっとお下品な)

ただ、メダルゲーム開発部門は、このような時下こそ優秀な新しいアイデアが生まれるものなのか、数は少ないものの新鋭なゲームが飛び出しています。2011年の大賞については、wifi機器を取り込んだ「Animalotta(アニマロッタ,KONAMI)」を選択。この震災後の各オペレータの予算縮減の中、導入是非が問題となっている大作の「Star Horse 3(SEGA)」については来年度のエントリーとしました。
その他、「Hot Shot Progressive Lady Luck(SEGA)」,「Hot Spin Multi Mix 9(cron)」,「Boom! Boom! Sevens! (cron)」,「Bonus Draw Extra Hand Champ's Double (cron)」等にも光るアイデアを見つけることができるのですが、評価は控えめに留めています。いずれも完成度という面からは、往年の大賞あるいは入賞作品の水準にないとの判断です。こんな時代こそ、じっくり吟味を重ねた完成度の高い作品が輩出されることを願って止みません。

Medalgame of the Year 2004...
Medalgame of the Year 2005...
Medalgame of the Year 2006...
Medalgame of the Year 2007...
Medalgame of the Year 2008...
Medalgame of the Year 2009...
Medalgame of the Year 2010...


Medalgame of the Year 2011
ゲームマシン名
( 会社名 )
コメント 参照
Grand Prize of Medal Game of the Year 2011 ◇ 大賞,マスメダル部門大賞
Animalotta
( KONAMI )
一般的なビンゴゲーム“ビンゴガーデン”,Twinkle Drop風のブロック消しゲーム“チェインボンバー”,林檎の成る木を昇っていく“アニマツリー”と、ゲーム性の異なる3種類のゲームが同時進行。盤面はシンプルに1-25の数字を順に配置。6ステーションと小降りな筐体としながらも、wifiターミナルに手持ちのwifi対応機器を登録することで店内で同時に100人までプレイ可能に(公称値)。他のゲームをしながらでも参加できる画期的なシステムです。wifi機器でもほぼ同じゲーム性であることはもちろん、空きステーションへの誘導等ぬかりない。メダル単価が低下する環境下で、筐体コスト縮減と稼働向上を別のこれまでにない方法で解決したアイデアが大賞に相応しい。
また、ゲーム自体についても、他人のJackpot Chanceを“応援(bet必要)”することで、自身の利益を確保できるようにする等、参加者全員が“愉しい”構造を模索している。実際、ステーションに着席しているプレイヤーも、wifi対応機器を使って同時にプレイして、これもまた稼働向上に繋がっている。
ゲームのペイアウト設計面では、7個集めるとJackpot Chanceの前段階の“Wonder Chance”となる“林檎”が巧く調整代(しろ)になっている。“林檎”の色で期待値が変化。また、Jackpotの最終獲得条件は、70球で25個のポケットすべてにボールが入ることで、盤面を活かしたアナログ抽選となっている。前記“応援”によって、参加者全員が毎度息を呑む展開もさることながら、24個以下の場合も入賞数によって配当が決定され、このJackpot Chanceについては完全にアナログ抽選となっていることも見逃せない。
収録ゲーム数の拡大等の余地も残されており、息の長いゲームとなりそう。
アニマロッタ公式サイトへ
Best Strategic Game of the Year 2011 ◇ カード・戦略部門大賞
(該当なし)
 
-
Best Video Slot Game of the Year 2011 ◇ スロット部門大賞
(該当なし)
 
-
Special Award ◇ 特別賞
(該当なし)
-
Encouragement Prize ◇ 奨励賞
Lady Luck筐体
( SEGA )
2011年9月稼働開始。筐体自体は小型でボタン数も7個とシンプルであるが、そのボタンがLED表示器を利用した動的機能を備えることで、マルチゲームへ対応する多様性と意匠性とコスト縮減とを同時に実現している。ただし、現金投入対応のため別筐体に組み込まれる形式となっていて、結果としてsmartに見えないところは、法的規制上とはいえ残念なところ。 現在は5種類のゲームで稼働中。ビデオポーカー“10 hand poker”は、セガの伝統である数ゲーム前からの“カードが揺れる予告”が胡散臭さを自ら証明しており残念。見かけが正統派カジノゲームであるだけか。ビデオスロットでは“Hot Shot Progressive(Bally)”を移植。その他、初心者層向けに“大富豪”等も。 前記progressiveシステムのため(max bet時のみ有効)、自らデノミを選択することができるところは、ゲーム設計面では工夫された点であろう。Lady Luck公式サイトへ
スロット部門
1st Place ◇ 1席
(該当なし)
-
2nd Place ◇ 2席 奨励賞
Hot Shot Progressive Lady Luck
( SEGA )
Lady Luck筐体については上記参照。カジノで絶大な人気を誇るBlazing Seven他、Ballyのスロットゲームの集大成。ただ移植の具合が完璧とは云えず、ボタン動作のタイミングの悪さ、上部画面のアニメーションが滑らかでない点等で1席には推せず。 Lady Luck公式サイトへ
3rd Place ◇ 3席
Hot Spin Multi Mix 9
( cron )
"くしくも、2席の“Hot Shot Progressive”と同じ時期に同じ発想(元ネタはBally)となっているが、cronは自社ゲームをアレンジした格好。着想は良かったが、trigger後のfeature回数をプレイヤーが選択できるようにしたためか、feature内の当選が画面に表示されていないところが残念。 feature中のhit率が低く、せっかくtriggerしても5倍にも満たない頻度が多く感じられる。main gameとfeature gameとのペイアウト比率や、feature回数と内容は、もう少し調整の余地がありそう。" cron社ウエブサイトへ
4th Place ◇ 4席
Prosperity Cat(招福猫)
( cron )
RGB Gamesの版権ゲームを国内に移植したゲームのひとつ。“Double Dragon”と同時期に投入。ただ“Prosperity Cat”は、cronの“Carmen the Flamenco(15 reels)”を5 reelsに書き換えただけと思われます。高級図柄がfeature中にwildに変化しますが、そのタイミングが意図的にプレイヤーに考えさせる間を与えていて素晴らしい。図柄は中国風にアレンジ。 cron社ウエブサイトへ
カード・戦略ゲーム部門
1st Place ◇ 1席
(該当なし)
2nd Place ◇ 2席 奨励賞
大富豪 Lady Luck
( SEGA )
Lady Luck筐体については上記参照。“大富豪”をメダルゲームに仕立てたところに入賞の価値があると判断。Lady Luck公式サイトへ
マスメダルゲーム・プッシャーゲーム部門
1st Place ◇ 1席 大賞
Animalotta
( KONAMI )
(上記参照)
2nd Place ◇ 2席
KAZAAAN!!
( SEGA )
100円投入も可能な4ステーションの小型マスメダル筐体。“ボール発射後”は完全物理抽選。何も豪華絢爛なプッシャーマシンだけが、プレイヤーを熱くさせるわけではないことを証明するゲームマシン。軽快なゲーム性は、シングルマシンへの誘導も狙えるか。 KAZAAAN!!公式サイトへ
3rd Place ◇ 3席以下
(該当なし)

次の作品は、年末迫っての稼動(あるいはロケテスト状態)とみなし、来年度エントリーとします。

スロット部門 Fortune Cat (cron) cron社ウエブサイトへ<
カード・戦略ゲーム部門 World Champ's Spin Poker (cron) cron社ウエブサイトへ<
マス・プッシャー部門 Star Horse 3 (SEGA) Star Horse 3公式サイトへ
マス・プッシャー部門 Star Boat (SEGA) Star Boat公式サイトへ

次の作品は、今年度販売開始とみなしておりますが、残念ながら入賞に値しません。

スロット部門Boom! Boom! Sevens! (cron)初心者層向けのリールスロット風のビデオスロットゲーム。freegame中は、blankがなくなってすべてBARか7のリールに変化。ディジタルでこそ可能なfeatureですが、ダブルアップ未搭載が残念。Ride gameのペイアウト率が100%(あるいは徐々に上昇する)となるような仕様でもよかったはず。
スロット部門Double Dragon (cron)Bonus Game偏重のビデオスロットゲーム。RGB Gamesの版権。2000倍役が各地で頻発しているが、その分メインゲームは非常に厳しい。
カード・戦略ゲーム部門Bonus Draw Extra Hand Champ's Double (cron)Raise-upシリーズの変形版。Raiseして1handのbetが増えるのではなく、同じbetで2 handsになるドローポーカー。Bonus Draw Featureも付属。5 of a Kind, Natural Royal Flushにhand毎にprogressive配当が付いていますが、その分低位の配当が削られていて、結果的には5 of a Kindを引けないと負ける構造。Raiseしてhandを増やす着想は面白い。Joker Wild系だけでなく他のゲームとのマルチゲーム化を期待したいところ。
カード・戦略ゲーム部門10 Hand Poker Lady Luck (SEGA)Lady Luck筐体については上記参照。何ゲームも前から、大きな役が揃うときは“カードが揺れる”予告付き。こっそりcheatするよりも潔いという見方もできますが、これには幻滅。物理ボタン配置や、holdできるのがカードがdeal時に全部めくれてからという、ドローポーカーを打ったことがないとしか思えない仕様は、激しく入賞に値しない。
カード・戦略ゲーム部門ラブプラスMEDAL Happy Daily Life (KONAMI)恋愛シミュレーションがメダルゲームに。数店での稼働を確認していますが、実際にプレイしている様子は見たことがありません。この手のゲームは、可搬媒体で所有欲を満たさないと継続的な稼働は厳しいか。ラブプラスMEDAL公式サイトへ




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